外国人研修制度について

~日本語・日本の労働慣行で学んだ優れた人材(日本で技能実習を修了した実習生)~

 昨今、タイに進出する日系企業が増え、日本語人材の需要はますます高まりつつあります。日本語人材で日本に滞在経験のある方は、日本語学校や日本の大学に留学し、語学を習得するということが一般的でしたが、最近は外国人研修制度を利用して、日本に滞在する方も多くみられます。企業で一定期間技能実習を受けながら、日本語の勉強に励むというスタイルです。
 この研修制度を実施している団体として主なものに、アイム・ジャパン(公益財団法人国際人材育成機構)、JITCO(財団法人国際研修協力機構)、AOTS(財団法人海外技術者研修協会)の3つがあります。下記、各団体の特徴について、簡単にまとめてみました。

■比較項目
①設立日  ②拠点  ③送り出し国  ④研修生数  ⑤受け入れ可能職種  ⑥特徴
⑦ホームページ ⑧タイでの連絡先(電話番号、メールアドレス、住所) ⑨費用

【アイム・ジャパン(公益財団法人国際人材育成機構)】

①1991年12月
②本部東京(日本国内に支局9箇所・海外に駐在事務所3箇所)
③タイ・インドネシア・ベトナムの3カ国
④3カ国にて総数32,000名。タイでは2000年から開始し、実習生の数は延べ2400人に上る。
⑤機械・金属関係、繊維関係、建築関係など約60職種。
⑥〔選考について〕
 20歳代で高等学校卒業以上の学歴を有する者が対象。男女不問。(以前は男性のみであったが、女性も2011年7月からリクルート開始。)優秀な人材を選抜するために、タイ・ベトナム・インドネシア政府が募集人員の5倍以上を募り、以下の選抜テストを実施します。

  • 1.能力テスト・・・基本的な知力、自立心や技能実習への適性などを筆記試験。
  • 2.体力テスト・・・マラソンは3キロを15分以内で完走。腕立て伏せ35回以上。腹筋運動25回以上。
  • 3.面接・・・・・・・・・ 技能実習に参加する目的、日本についての知識、帰国後の計画等技能実習への意欲に重点を置いて評価。
  • 4.健康診断・・・・・技能実習が継続できない疾患が判明した場合は不合格。

実習生募集は毎年約6回。タイでは労働局雇用局がタイ全土から公募。毎回200人~500人ほどの応募があり、そのうち実際に日本へ行くのが年間で200名弱。
 
 合格者は労働省能力開発局の職業訓練校において、日本語・日本の生活一般に関する知識を中心とした事前講習を4ヶ月受け、その後日本へ向かいます。この事前講習の間に態度不良や成績が悪い場合は不合格となります。

〔日本での実習について〕
 日本での実習期間は、一部職種を除いて3年間。アイム・ジャパン研修施設で1ヶ月間、集合講習を受け、日本語・日本文化・生活習慣等を復習した後、各受け入れ企業へ引き継がれ、技能研修を開始します。技能研修生は2ヶ月目から労働者となるため、日本労働基準法・最低賃金法など労働関係法令が適用されます。
〔帰国後の支援〕
 実習生帰国後には、労働省が日系企業や現地企業に参加を募り、集団就職面接会を開催。また、起業支援として事業奨励金60万円が実習生全員に渡されます。
〔受け入れのメリット〕
 企業の活性化につながること、計画的な人員計画が可能になること、本社で受入れ育てた人材をタイ現地法人で雇用でき、タイ進出の足がかりになること、などがあげられます。

<研修の流れ一覧:アイムジャパンHPより>

http://www.imm.or.jp/
⑧バンコク駐在員事務所
12th Floor, Social Security office Section 3 Building, Ministry of Labour,
Mit-maitri Road, Dindaeng, Bangkok 10400,Thailand
TEL 66(2)2450801
FAX 66(2)2450523

⑨〔入会費〕10万円(受け入れ人数に関係なく、1社あたりの金額)
 〔月会費〕1万円(受け入れ人数に関係なく、1社あたりの金額)
 〔受け入れ後の月額費用〕
 1名受け入れの場合、1年目は約230万円、2年目約240万円、3年目約250万円となります。
実習生の多くは、日本語能力試験3級程度の日本語を身につけ帰国します。2級を取得する方もおり、人材不足が加速、日本語人材の需要が急増しているタイにおいて、彼らの存在は大きなものになっていくでしょう。2~3ヵ月毎に帰国生を対象とした就職説明会が開かれておりますので、ご興味のある方は、アイム・ジャパンバンコク駐在員事務所(電話02-245-0801)までお問い合わせください。

【JITCO(財団法人国際研修協力機構)】

①1991年
②本部東京港区(日本国内17箇所に地方駐在事務所あり)
③15カ国(うち東南アジアはタイ・ベトナムなど6カ国)
④3,511名(2011年4月時点)中国が2,645 人(全体の75.3%)、ベトナム371 人、インドネシア264 人と続く。タイはフィリピンに次いで5番目、約80人。
⑤機械・金属製造、繊維・衣服製造、食料品製造などで計64職種(2009年11月)

⑥18歳以上の外国人で、研修終了後母国へ帰り、日本で修得した技術・技能を活かせる業務に就く予定がある者、母国での修得が困難な技術・技能を修得するため、日本で研修を受ける必要がある者が対象。研修期間は3年間。1年目は研修生として、2年目からは技能実習生として研修を行います。

http://www.jitco.or.jp

⑧タイ国内には事務所なし。

⑨JITCOに支払う費用はなし。JITCOへ在留資格を得るための必要書類を申請するための郵送費用程度。来日後、研修生には実習実施中は、労働関係法令を遵守し、技能実習生に対する賃金を支払う必要があります。

【AOTS(財団法人海外技術者研修協会)】

①1959年8月
②本部東京足立区(研修センター日本国内に4箇所、ジャカルタ・バンコク・ニューデリーに海外事務所あり。)
③170カ国以上
④昭和34年度から現在まで延べ327000名(内訳:日本で行った研修162,102人、海外で行った研修189,017人)

⑥開発途上国等の技術者・管理者を対象に国内外での研修を通じて技術協力を推進する研修専門機関。経済産業省から政府開発援助(ODA)を国庫補助金として交付を受けています。

研修は、海外から技術者・管理者を日本に招聘し、AOTS研修センターや民間企業の生産現場などで技術や知識を習得する「受入研修」と、日本から講師を派遣し、研修生の母国もしくは第三国で技術や管理手法を習得する「海外研修」の2つがあります。
研修期間は2週間から4週間と短期間。

http://www.aots.or.jp

⑧バンコク事務所(AOTS Bangkok Office)
14th Fl. Paso Tower, 88 Silom Road,Suriyawong, Bangrak, Bangkok 10500, Thailand
Tel 66-2-238-5233~34
Tel 66-2-268-0784
Fax 66-2-634-1200
E-mail: aots@loxinfo.co.th

⑨受け入れ費用は主に2つ。
1) 滞在費: 宿舎費・食費・雑費
〔目安〕1日あたり宿泊費6,000円程度、食費2,000円程度、雑費800円程度。

2) 滞在費以外: 実地研修費・国内移動費・
   研修生厚生費(AOTSが付保する研修生の保険料など)・
   実地研修資料翻訳費など

アイムジャパンやJITCOが実施しているような3年間のプログラムで日本に滞在した外国人の多くは、日本語能力試験3級レベル程度の日本語を身につけ、母国に帰国します。2級を取得する方もいます。外国人研修制度には一長一短がありますが、人材不足が加速、日本語人材の需要が急増しているタイにおいては、彼らの存在は大きなものになっていくと思います。