2023.08.03タイの文化

仏教の祝日はどんな意味があるの?

タイのカレンダーには、満月・半月(上弦・下弦)・新月のマークが付いていますが、何のためにあるかご存知でしょうか?

答えは、「ワン・プラ」がわかるようにするため。上の4つの日は「ワン・プラ」と定められ、お寺に行ったり、托鉢僧にお布施をしたりする日となっています。日本語では「仏教の日」などと訳されます。この日には、五戒を守り、慈善活動など善い行いをします。もちろん毎日できればベストなのですが、ちょっとハードルが高いですよね。週1日程度なら心がけ次第で誰でもできます。仏教寺院に限らず、自宅やオフィスビルの祠にお供え物をし、守護神を拝む人もいます。

なお、カレンダーによっては、満月など月の形ではなく、仏像のマークが付けられていることもあります。

ワン・プラは陰暦の1か月に必ず4回巡ってくるものですが、中でも仏教上の大きな出来事を祝う日として、年3回の重要な祝日があります。これらの祝日の夜には、寺院でウィエンティエンという儀式があります。仏教徒は花、線香、ろうそくなどの供物を持って、仏・法・僧の三徳を偲びながら本堂を三周回り、説法を聞きます。
【マーカブーチャー(万仏節)】
タイ陰暦第3月(閏月がある年は第4月)の満月の日。現在の2月〜3月上旬にあたる。釈迦がウェールワン寺院を訪れた際、悟りの境地に達した1250人の弟子が偶然一堂に会したという奇跡的な出来事を祝う日。
【ウィサーカブーチャー(仏誕節)】
タイ陰暦第6月(閏月がある年は第7月)の満月の日。現在の5月頃。釈迦の降誕・成道・入滅の3つが生じた日。
【アーサーンハブーチャー(三宝節)】
タイ陰暦第8月(閏月がある年は後の第8月)の満月の日。現在の7月頃。釈迦が初めて仏法を宣言し、最初の5人よりなる僧伽(そうぎゃ)が成立して仏・法・僧の三宝が完成し、最初の説法が行われた日。
三宝節の翌日は、カウ・パンサー、すなわち、安居(あんご)入りとなります。パンサーとは、もともと「雨」や「雨季」を表す語ですが、雨季は草木が繁り、虫や小動物が活動するため、僧は無用な殺生をしないよう一定の場所に籠って修行します。オーク・パンサー(安居明け)は、3か月後のタイ陰暦第11月の満月の日です。

タイの男性は、一生に一度は短期の出家をし、父母にブン(徳)を積むのがよいとされています。安居の期間、このような出家僧が多くなります。出家期間は1週間など本当に短くてもよいのですが、正式に髪と眉を剃って出家式を執り行います。冠婚葬祭のような大事な式の一つですので、親戚や友人が集まり、賑やかにお寺の本堂を回り、宴会をします。
安居が明けた後には、寺院で僧衣贈呈式(トートカティン)が行われ、在家の信者たちが参詣します。
仏教上の祝日は、法律でアルコール飲料の販売が終日禁止となっています。店内での飲酒も、外国人向けホテルなど一部の場所を除き、不可となります。なお、仏教関連の日以外にも選挙の前日・当日などは禁止、普通の日でも11:00〜14:00、17:00〜24:00以外は販売禁止ですのでご注意下さい。

 

前述の通り、仏教の祝日やワン・プラは全て陰暦にしたがっています。旧暦なんてややこしいと思われる方もいるかもしれませんが、これが意外と合理的なんです。日本では旧暦の年中行事を無理に太陽暦の日付に合わせてしまったため、妙なことが起こっています。たとえば、七夕は本来は旧暦の7月7日、つまり現在の8月頃ですね。もともと、よく晴れて天の川が見える日だったのに、新暦に合わせられたせいで梅雨の真っ最中になってしまいました。また、新暦の3月3日はまだ桃の花が咲いていないのに「桃の節句」といいますから、ちぐはぐな感じです。
タイに来たらタイのカレンダーを置いて、ぜひ「ワン・プラ」を意識してみて下さい。特別なことはしなくても構いません。夜空の満月を眺めてみるだけで、きっと得をした気分になれることでしょう。

 

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