気になる現地採用の資産形成「タイの積立保険」
現在タイに滞在されている日本人の方々の中で、日本の住民票を抜いてしまっている人が少なくないと思います。
特に、駐在員とは立場が異なる現地採用の方々の場合、海外で生活していながら日本に住民票を残すことは、登記面はともかく金銭面で負担となってくるでしょう。そういう筆者も住民票を抜いたまま、かなりの時間が経過しています。
生活の基盤を今後もタイに置くにしろ、いずれは日本に戻すにしろ、現役を引退した後の生活に不安を感じることには変わりありません。先のように住民票を抜いてしまっている場合、同時に放置しがちなのが国民年金です。
日本に本社がある会社に勤めていれば、国民年金に企業年金が上乗せされ、心配はより少ないでしょう。
しかしタイの場合、日本の国民年金のような公的制度が存在しません。「社会保険」の還付が国民年金に相当しますが、55歳以上で無職が条件です。企業年金の方も、「プロビデント・ファンド」という制度が存在するものの、退職時、疾病時、死亡時の補償というイメージが強く、積み立てという考えは希薄です。
そのため、年金においては個人で考えていかなければなりません。
そこで検討に値するのが、タイの保険会社各社による「積立保険」です。
保険料を一定期間支払い、満期になったら満期保険金を受け取るという明快なタイプです。個人年金保険など日本の積立保険は、年金タイプと一括受け取りの2種類がありますが、タイでは一括受取です。ちなみに先のタイの社会保険は、15年以上の就労の場合、還付は一括(一時金)ではなく一定額の月払いとなります。
タイの積立保険の魅力はやはり、「積立利率」の高さです。インターネットでざっと調べてみても、日本での積立利率は契約年数や加入時の年齢によって変わりますがざっと0.5~1.5%。タイのそれは0.9~17%です。
そして、外国人は条件がいくつかありますが、原則として労働許可証(ワークパミット)が発給されていれば加入できます。さらに、その後に本帰国になったとしても、タイの銀行口座を残しておけば、満期の際の一括受取が可能です。現地採用でも駐在員でも加入のメリットがあるということです。
一般的なのは、毎年10万バーツ(月当たり1万バーツ弱)の保険料の支払いで毎年1万バーツ弱の払い戻しを受ける。保険料の支払いは15年で終了とし、16年目から24年目までは毎月の払い戻しのみを受け取る。25年目に満期として満期保険金を受け取って終了というタイプです。
死亡時の保険金額は、契約開始年から満期年まで百数十万バーツが保証されます。繰り返しとなりますが、契約年数や加入時の年齢によって変わってきます。以下も同様です。
利率は「保険料を長く支払った方が低く」なります。そのため、6年目や7年目で途中解約する加入者が多くいます。
毎年の払戻金は解約の年に終了しますが、満期の際の保険金は15~20%の範囲の利率となります。毎年の保険料が定額ですので、「計算上で最も利率が高まったときに解約」してしまうという考えで、保険会社自体がそのような方法を紹介しています。
気を付けておきたいのは、途中解約でも保険金の支払いは当初の契約の年まで待たなければならないということです。
たいていは20~25年です。保険会社は顧客から預かった保険料を運用して、銀行よりはるかに高い利率で払い戻ししなければなりません。預かる保険料の金額より期間の方が重要となってきます。
そのため、年齢を重ねないうちに加入しておくとより安心です。
例えば、還暦辺りに加入して満期は80代半ばとなった場合、不安を感じない人の方が少数派かも知れません。そもそも年齢が高ければ高いほど、加入時の条件も厳しくなってきます。
海外に住んでいるからこそ、本気で考えなければならない「資産形成」でしょう。
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