2024.01.29タイ生活

進路のため?経験のため?子どもがタイ滞在でインターナショナルスクールを選択するメリット

駐在、起業、そのほかの目的による長期滞在で、タイには多くの日本人が居住しています。もちろん生活形態はさまざまで、単身もいれば家族帯同もいます。学校に通う年頃の子どもを連れた生活であれば、まずは学校の選択、それに伴う部屋探しといった順序になるかも知れません。ここではインター校という選択肢について見てみましょう。

タイにおけるインターナショナルスクール(インター校)

タイには全国で200校とも300校ともいわれるインター校が存在するといわれていますが、この数字はとてもあいまいです。英国式や米国式といった国際的に認められるカリキュラムを採用した、本来の意味でのインター校に限定した場合、数は少なくなってくると思われます。ただ、そのような校数の多さが、学校選びに支障をきたすことはないといえます。進路が定まっていれば、選ぶべき学校はおのずと見つけられます。

インター校選び

インター校選びは、子どもの将来を見据えたものでなくてはなりません。当たり前だろう、という話ですが、日本の幼稚園児や小学生に相当する年齢でインター校に入学・編入した場合、その時点で高校、大学、就職という進路が描けているか、そこに子どもの意志が反映されているか、が大切なのです。

米国式カリキュラム採用のインター校を選ぶなら、高等教育の進学・留学もアメリカが最適です。英国式ならイギリスです。バンコクにはフランス式、オーストラリア式、シンガポール式といったカリキュラムを採用するインター校があり、それぞれ自国の子どもが生徒の多数を占めると聞きます。いずれは母国の高校や大学へ、といった進路のようです。欧州諸国の教育機関の場合、その国のカリキュラムで成績を収めていなくとも、英国式なら受験可能といった処遇もあるようです。いずれにせよ、「定めた道を進むのに最適な学校」を選べているのか、が大事です。

日本人家族のインター校選びの注意点

バンコク都内のインター校に勤める日本人主任から以前、お話を聞いたことがあります。最初の学校選びで将来が決まる、といっても過言ではない内容でした。「駐在で外国に住むことになったから子どもにより多くの経験をさせたい」という理由でインター校への入学・編入を検討する保護者さんがいらっしゃるようです。インター校では日本の学校の授業を行いません。その駐在が数年で終了して本帰国となった場合、子どもは日本に戻ってから不在だった年数分の勉強を一気に強いられるのです。それが進学のタイミングと重なった場合、「可哀想の一言に尽きる」といいます。このような、インター校を選択するメリットを見いだせない事例は多々あるといいます。

また、「せっかくの海外生活だから英語を習わせたい」という理由でのインター校選びもあるそうです。しかしインター校で必要な英語は、日常会話ではなく学業のための英語です。ネイティブ同様の語彙を習得しなければなりません。英語に慣れていない場合、メインクラス編入の前に英語を習得するESL(English as a Second Language)を受けるのが通常です。能力によってはそれが1年も続きます。むしろインター校の評価はそのESLで決まるといった面もあります。また、信頼のおけるインター校であればここに書かかれたような内容を、見学時にていねいに説明してくれます。

日本の大学進学を目指してインター校に通うメリット

上記とは異なる事例として、「高校まではバンコクのインター校、大学は日本を目指す」というインター校の生徒から話を聞いたこともあります。父親の駐在に合わせて来タイ、日本人学校(泰日協会学校)ではなくインター校に通い始めました。しかし駐在自体が数年で終わってしまい、家族は先に帰国。本人の意志で一人バンコクに残り、高校卒業を迎える予定とのことでした。そこでは米国式カリキュラムを採用していたので、「大学はアメリカですか?」と尋ねると、「日本です。帰国子女枠を有効に使いたいです」との答えでした。進路先が日本であってもインター校に通うメリットが、ここにはありました。

まとめ

「限られた年数のタイ滞在であり、いずれは日本に戻る見込み」「子どもがまだ将来を展望できる年齢ではない」といった場合は、インター校という選択肢は優先順位が下がってくるでしょう。一方で「高校までインター校、大学は日本」という考え方があるのも事実です。将来の見込みと子どもの意志をより反映させた進路選択が求められます。

 

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