2024.02.25タイの文化

カオニャオ・マムアンをもっとおいしく食べたい!

カオニャオ・マムアン(もち米マンゴー)は、タイの人に愛され、外国人も夢中になる伝統のスイーツで、昨今ではタイの「ソフト・パワー」の一つとしても注目されるようになっています。きっかけは、2022年にアメリカの音楽祭でタイ人女性ラッパーのミリさんがカオニャオ・マムアンを食べるパフォーマンスをしたこと。SNSで瞬く間に広まり、タイ国内のカオニャオ・マムアン専門店に行列ができるという社会現象にもなりました。
今回は、そんなタイ国民のソウルフード「カオニャオ・マムアン」がもっとおいしくなる話です。

まずは、もち米について。
もし、単なる「マンゴーの添え物」だと思っていたとしたら大間違いです。また、もち米を炊く時に甘味を付けていると思っている人もいませんか? 実際は、普通に蒸したもち米に、後から砂糖やココナッツミルクを混ぜ込んでいます。さらに、お菓子用の香りロウソクを使い、一晩かけて香り付けをしています。そもそも、もち米自体、食事用とは違う種類の米を選んでいるんです。米を洗う時にミョウバンを使うなど、艶出しのための工夫もしていますし、米の一粒一粒がピンと形を保つ水加減・蒸し加減も熟練の技。
こうして手間暇かけた甘いもち米は「カオニャオムーン」といいます。それぞれの店でアレンジしながら、見た目に美しく、食感も優れた逸品を作り上げているので、ぜひ店ごとの違いも感じてみて下さい。アンチャン(蝶豆)の花やバイトゥーイ(パンダンリーフ)で色付けしたブルーやライトグリーンのもち米も華やかです。

次にマンゴーですが、カオニャオ・マムアンに使われる品種は主に、ナムドークマーイオックロンの2種類です。近年はナムドークマーイが主流となり、市場でもなかなかオックロンを見つけられないのですが、オックロンはやや小粒ながら香りが良く、懐かしい甘酸っぱさがあり、食通の人に根強い人気があります。現在では、マハーチャノックという大きく長細いマンゴーも出回っていますね。サンセットという南米の品種とナンクラーンワンというタイの品種の偶然の交配で生まれたそうですが、甘くジューシーで、カオニャオ・マムアンにもぴったりです。

こうしたカオニャオ・マムアンに使われるマンゴーは暑季真っ盛りの4月が旬ですが、現在では品種改良や栽培技術が進み、一年中さまざまな完熟マンゴーを楽しめるようになりました。台湾やオーストラリアなど外国の品種もタイで栽培され、安く入手できるようになっています。タイで栽培されているマンゴーの品種は何十種もあるので挙げきれないですが、ちょっと面白いマンゴーをご紹介します。

◆ ヌワンカム種
長細い楕円形の大粒マンゴー。上品な香りと甘酸っぱさがあり、カオニャオ・マムアンにもおすすめです。台湾マンゴーなのですが、ロイヤルプロジェクトで栽培されるようになりました。
◆ カーイトゥック種
カーイトゥックとは「建物を売る」の意味。家屋を売ってでも買いたいほどのおいしさ。甘酸っぱさにコクもあり、熟す前の青マンゴーとしても、完熟でもおいしく食べられます。チャチューンサオ県バーンクラー郡の名産です。
◆ ラット種
サイの角のような小さな突起がある、見た目もかわいらしいマンゴー。タイ原産の品種で、青マンゴーとして食べることが多いです。
◆ ケーウカミン種
カンボジア原産。近年はタイでも多く栽培され、カットフルーツの露店でも見かけるようになりました。カミンとは「ウコン」の意味で、果実はまさに黄金色。やや小粒で、飽きのこないおいしさです。
◆ R2E2種
オーストラリアのマンゴー。びっくりするほどの巨大な実で、メロンと見紛うほどですが、熟すと芳醇な香りと甘みがあり、マンゴー好きにはたまりません。

入手しやすい定番のマンゴーとしては、完熟でおいしいチョークアナン種、青マンゴーではキエウサウーイ種などがあります。市場やスーパーでマンゴーを見かけたら、ぜひいろんな品種を食べ比べてみて下さいね。

 

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