タイの猫に癒されたい!
タイでも猫カフェを楽しむ人が増えてきました。また、ペットとして、外国種のかわいらしい猫を愛する人たちもたくさんいます。ですが、タイ古来の猫たちのこともどうか忘れないで下さい。タイ猫の純血種は、今では希少な存在として保護されているのです。
タイ猫と聞いて、まず思い浮かぶのはシャム猫ですね。上品な毛並み、サファイアブルーの瞳、すっとした鼻筋……そんなシャム猫の気高さに魅了される人もいるでしょう。いわゆるシャム猫は、タイでは「ウィチエンマート」という名称で呼ばれています。ウィチエンマートは、かつて王室や貴族にしか飼うことが許されない高貴な猫でした。そしてラーマ5世(在位1868〜1910)の時代、日本では明治維新の頃ですが、タイから諸国への贈り物として海を渡ることとなります。1885年には、英国の猫のコンクールでウィチエンマートが優勝。以来、Siamese catと名付けられ、世界中で名を馳せるようになったのです。日本で「シャム猫」と呼ばれているのも、英名から訳されたからなのですね。
さて、あまり知られてはいませんが、タイ猫はウィチエンマートだけではありません。アユタヤー時代(1351〜1767)の文献によると、23種もの「タイ猫」が存在したそうなのです。縁起の良い猫が17種、不吉な猫が6種という分類がされており、絵も付いています。「痩せている」とか「孤独を好む」といった性質の猫が「不吉」に入っているのですが、猫に罪はないのにちょっとかわいそうですね。
しかし現在、タイ猫の大部分は純血種がいなくなってしまいました。今でも見られる種類は、コーンチャー、シーサワート(マーレート)、スパラック、そしてウィチエンマートの4種と、ラッタナコーシン時代(1782〜)になって発見されたカーオマニーという猫だけです。コーンチャーは黒猫、シーサワートはシルバーグレーの毛並み、スパラックは赤銅色の毛にイエローの瞳。カーオマニーはかわいらしい白猫で、瞳の色が左右異なりブルーとイエローの二色になっている個体もいます。
現存のタイ猫は、「タイ猫の家(タイ猫保護センター)」で見ることができます。この施設はサムットソンクラーム県アムパワー郡のメークローン川沿いにあり、バンコクから車で1時間半くらい。2001年、タイ猫を愛したプリーチャー・プッカブット氏が庭の一角を「タイ猫の家」として開放したのが始まりでした。プリーチャー氏の子供の頃は近所にたくさんウィチエンマート(シャム猫)がいて、自分の家でも飼っていたそうですが、徐々に数が減っていったのを危惧し、種の保存を目的に飼育するようになったのです。
2018年にプリーチャー氏が81歳で他界された後は、お子さんたちに引き継がれています。立派な屋舎や説明パネルもでき、かわいい猫グッズに囲まれたカフェ、ギフトショップもできていますので、猫好きの人はぜひ訪れてみて下さい。
パーソネルコンサルタントは、タイで現地採用として働きたい日本人の仕事探しをお手伝いしています。
LINEお問合せよりお気軽にご連絡ください。ご連絡をお待ちしております。