タイで最も重要な王室儀式の一つ「タイ王室御座船パレード」
10月27日、全長約45メートルの王室御座船「スパンナホン」を中心に伝統様式の船52隻が隊を組んでバンコク都内チャオプラヤー川を漕ぎ下る儀式、「タイ王室御座船パレード(Royal Barge Procession)」が開催されます。
ラマ10世(ワチラロンコン国王)の戴冠式が行われた2019年以来、6年ぶりです。
タイ王室御座船パレードの歴史は一般的にアユタヤ時代から続くといわれていますが、「王室が船(舟)を使って催した儀式」という広義でくくると、スコータイ時代まで遡るようです。第3代ラムカムヘン大王によるローイクラトン(灯籠流し)です。
王室専用船や軍艦が積極的に造られていったのは、水に囲まれた土地に都を置いたアユタヤ時代からで、現代のパレードはそのころの面影を残しているのでしょう。
アユタヤの歴代王が御座船と象を乗り継いで仏足跡(現サラブリ県プラブッタバート郡)まで行幸した、新たな王の誕生を知らせたり国民を見守ったりするために船を出した、という逸話が聞かれます。
今でも続く王室御座船パレードは、ラマ9世(プミポン国王)によって1957年の仏暦2500年祝祭に合わせて始まりました(今年は仏暦2567年)。以降、王室による雨期明けの袈裟寄進の儀式(トート・カティン)や王室や国家の重要行事などに合わせて数年おきに開催されています。今年はラマ10世72歳祝賀のためです。
パレードはたいてい、雨の心配がなくなる雨期明けの時期に実施されます。
今年は8月1日から10月22日まで計12回のリハーサルが組まれていて、いずれも午後3時から6時までの3時間、本番も同時間帯の予定です。
雨期明けの午後に実施というのは、タイ湾の潮の満ち干きに関係しているようです。
過去数回観覧した際いずれも、パレード開始前にチャオプラヤー川の流れが満潮の影響でほとんど止まっていました。パレードのために全ての船舶の運航が止まり、川の流れも止まって静まり返ると、何十匹もの水中の魚が川面に口を出してきます。ほとんどナマズのようです。
観覧に最適な場所はもちろんワット・プラケオ(王宮)の対岸ですが、海軍基地となっているためチケットの入手は簡単でないかも知れません。
しかしラマ8世橋からワット・アルンまでの両岸に観覧ポイントが何箇所もありますし、本番間近でないと漕ぎ手(海軍兵士)が正装しませんが、リハーサルが今後何回も行われます。いつもは博物館に停まっている船が実際に漕がれ、勇壮な姿を見せるのがタイ王室御座船パレードです。
* タイ国政府観光庁日本事務所「Amazing Thailand」
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