2025.02.04タイ生活

年の初めに考えたい戦略的オフとメッセージ 小蛇年に柔軟な変革を

明けましておめでとうございます。2025年ですって。男女雇用機会均等法制定から40年、阪神淡路大震災から30年、ミレニアムからでも四半世紀。その全てが記憶にある私は今年4回目の年女。自分の年齢もいつの間に? ですが、改めて西暦の年数をまじまじと眺めると、俄かには信じられない未来にいる感が私にはあります。皆さんはいかがでしょうか?

振り返ってみると、幼少期のお正月は、まだお店というお店も休みで、初詣を除けば行くところもなく、飽き飽きするまで家でゴロゴロするより他なかった記憶。当時は、個々人も社会も徹底的にお休みモード。文字通り、隔世の感。今は、表面的な労務管理上は休みになっていても、電話とネットが通じる限りどこにいても連絡が入り続けてしまい心から休めない、飽きるほど長い休みなんてない、という方も少なくないのではないでしょうか。

私自身が、睡眠時間を削ったり、休憩をとらなかったりすると明らかにパフォーマンスが下がるのを感じるようになり、無理の利かなさから、休むこと・まとまったオフを確保することの大切さを痛感しています。「一年の計は元旦にあり」というと、「する」ことに意識が向くと思いますが、現代的には、「しない」ことや休み、あるいは仕事以外のことも含めて考えることが、結果的に諸々のバランスやパフォーマンスを良くする要諦なのではないでしょうか。このことは、主婦にも言えます。旦那さんやお子さんのスケジュール主体になって、自分のことがついつい後回しになりがち。奥さん・お母さんとしてだけでなく、それらの役割からオフとなる自分個人としての時間や気分転換も積極的に確保しておかないと、日々のことに流されて、色々気になりながらも気がつけばまた一年、ややもするともう帰国。今や日本の小学生向け教育番組でも、予定の立て方の中で頑張りすぎないことを促す時代です。老若男女が各々の役割で頑張るために、やはり戦略的オフは必要なのではないでしょうか。

また、年始に自分と向き合う時間を持つ中でお勧めしたいのが、「自分が言ったと記憶されたいこと」「自分が言ったと記憶されたくないこと」を考えることです。個人的に、話すことにはある程度自信があったのですが、産後のマミーブレインを引きずっているのか、単なる加齢か、近年会話の瞬発力が下がり、苦し紛れに出た言葉にもどかしい思いをすることが増えました。下手なだけならいいのですが、その負の影響はもったいなく怖いもの。仕事面では、若い頃ひたすら政治家の演説を聞いてその正負の効果と支持率の関係を見たり、根はいい人なのに話すごとに部下の心が離れる上司を見たり。私的なことでは、幼少期に身内に言われた言葉を頭では整理できても心ではしこりを消せなかったり等の経験も影響し、肝心な場面で外さない言葉選びは、公私不問で私たちの皆にとって大事で、そのための準備が必要と考えるようになりました。日本人はやはり口下手民族ですしね。言語バリアや身内の甘え・驕りがある環境ではなおさら。会話の全てはカバーできなくても、相手の記憶を意識しながら、自分が大事にしたい価値は何かを考えて、ここぞという場面をしっかり押さえたいものです。タイでは辰年が大蛇年で巳年が小蛇年となるのですが、いずれにせよ今年は変革や再生と相性が良いそうですので、年初に意識してこの一年をよい年にしていきましょう。

<本記事は「パノーラ」タイ版 2025年1月号 コラム『南洋茶話』(9)を許可を得て引用・転載しております。>