タイ語の基本のキ。日本人にとって難しい?簡単?
「コラム:タイ現地採用・駐在員がタイ語を学ぶメリット」にて、タイ語を習得することをおすすめしてきましたが、実際にタイ語はどんな言語なんだろう?難しいのか?簡単なのか?という疑問に、タイ語学習者の立場から答えてみたいと思います。
本稿では、日本語と、義務教育で全員一度は触れたことがある英語との比較を通してタイ語の大枠を解説していきます。
※いちタイ語学習者の意見ですので、言語学的に不正確な箇所があるかもしれませんが、大枠をみてもらうという意味で詳細は割愛させていただきます。
タイ語の発音
5種類の声調があり、声調が違うと別の言葉になります。
子音には、末子音、鼻音など、日本語や英語にない特徴があり、注意が必要です。
母音には日本語と同様に、長母音と短母音があり、日本語で例を挙げると「おばあさん」「おばさん」のように母音の長さで単語の意味が変わるものがあります。
声調の説明や、子音・母音の詳細な説明は割愛しますが、正直、いくら言葉を尽くしても、タイ語の発音は日本語と大きく異なる部分が大きく、難しいと思われる方が多いです。しかし、日本人がまったくタイ語ができないということではありません。
まず発音に取り組む際のコツをお伝えすると、カタカナ読みで発音を覚えないことが重要です。聞いたままのリズム(声調)を耳で覚え、カタカナではなく発音記号でしっかり発音を覚えることが大切です。そして、ネイティブのタイ人に発音のチェックを徹底してもらうことが重要です。
タイ語の文法
発音から打って変わって文法は、日本人にとって取り組みやすいと言えると思います。英語と同じSVO型(主語・動詞・目的語の語順)ですが、タイ語が英語よりも簡単だと思える点がいくつかあります。
・時制がないため動詞の形の変化が無いこと
・aやtheのような冠詞がないこと
・複数形がないこと
などです。
単語を語順に合わせて並べれば文章を作ることができ、応用がききやすいです。
英語を学ぶときに動詞の変形を覚えるのに苦労した、複数形のsをつけ忘れて減点が多かった、aとtheの使い分けがいまいちわからない、なんていう思い出があるあなたにとって、タイ語はおすすめです。
タイ語の文字
タイ語というと、1番にタイ文字に強い抵抗感を覚える方も多いのではないでしょうか。全く新しい文字を覚えなければいけないというハードルは高いですね。
しかも似たような文字が多いのでは?と感じたあなたの勘は正しいです。タイ文字の子音は44字ありますが、以下のような似た形の文字があります。
ปบษ ลส ผฝฬ ดฅคศ ฆมน ฮอ ชฃข ถก รวจ
なんでこんなに多いんだ!と諦めるのはまだ早いです。あなたが読んでいる日本語も、たくさん似た形のひらがながあるではないですか。
あ・お ぬ・め さ・き へ・く り・い は・ほ え・ん つ・し は・け に・こ す・む
もう何気なく使っているから気にしてなかったものの、形という意味ではとてもよく似ているひらがながたくさんありますよね。
根性論になってしまいますが、似ている文字が多いという言い訳は通用しません!どの言語でも似た文字はあるので、ただひたすら覚えるのみです。
そして幸いにも、44文字中、10文字ほどは日常会話ではあまり使わない文字なので、30文字最低でも覚えていれば生活は成り立ちます。30文字だと、50音よりも少ないですよね?
まずは文字の暗記という最初の関門を抜けたと思ったら、文字から発音をする仕組みを暗記する必要があります。ここで詳しい説明は省きますが、文字の組み合わせで声調が決まります。
ここまで苦労すれば、あとは「読める!」という感動を繰り返して練習するのみです。パズルのように法則を組み合わせていくことで、正しく発音することができる、というのがタイ語の特徴です。
英語ではスペルと発音が必ずしも一致しないことも多いですよね。
例えば、TOMATO トマトといった単純なものなら良いですが、
RESTAURANT →❌レスタウラント ⭕️レストラン
ZUCCHINI →❌ズッチニ ⭕️ズッキーニ
など、全く知らない単語をスペルから正しく発音することは100%可能というわけでは無いです。しかしタイ語であれば90%は正しく発音すること可能です。読めない10%は何かというと、固有名詞など特殊な言葉に例外が発生することがあります。
文字を覚え、発音の仕組みを暗記しさえすれば、その後は練習を重ねれば文字から正しく読めるようになります。長い間漢字の読みを覚えたり、英語の単語の読みを覚える苦労とは別の苦労になりますが、最初さえ乗り越えればあとは楽になるのがタイ語です。
タイ語の読み書きができれば、対外的な業務で使わなくとも、同僚とのチャットメッセージなどで活用できますので、おすすめです。
まとめ
日本人にとって、タイ語の文字と発音が1番のハードルです。ただ、正確な発音でたくさん言葉を覚え、文法の基礎をおさえれば、会話ができ、どんどんタイ人との交流が可能になります。
加えて、タイは日本と同じく「ハイコンテクスト文化」に属すると言われていて、相手の空気をよく読んでコミュニケーションを取る文化です。こちら側に伝えたい気持ちさえあれば、拙いタイ語でもタイ人が頑張って意味を汲み取り、楽しくコミュニケーションが取れること請け合いです。
せっかくタイに来て仕事をしたい、仕事をしているのであれば、ぜひタイ語に挑戦し、仕事にも生活にも活かしていただきたいです。