タイのプロビデンドファンドって?導入するorしない
このコラムでは、タイの「プロビデンドファンド」(退職金積み立て基金)について詳しく解説します。
タイ人を採用したりタイで働いたりするうえで必ず理解しておきたい制度なので、ぜひ最後までご覧ください!
プロビデンドファンドとは?
そもそもプロビデントファンドとは、どういったことを言っているのでしょうか?
プロビデントファンドとは、企業と従業員の間で任意加入希望者向けに設立されたファンドのことであり、従業員の、離職、退職、病気、死亡などの場合の資金源となるものです。プロビデントファンドは、「プロビデントファンド法」に基づき、タイ政府が規制しており、プロビデントファンドにおける従業員が持つ権利は、「プロビデントファンド法」により保障されています。
(引用元:Krunsiri Asset)
Krunsiri Asset社では上記のように定義されています。プロビデンドファンド(Provident Fund、退職金積み立て基金)は、タイの退職金積み立て制度としてイメージしていただくと分かりやすいです。
従業員は給与から2-15%の範囲で、ファンド運用会社に積み立てを行います。同様に、企業も従業員の積み立てに同額以上を加え、運用会社に積み立てを行います。従業員が退職する際には、彼らが積み立てた分に加えてファンドの運用利益を100%引き出すことができますが、元本が減る可能性もあります。一方、企業が積み立てた分には、事前に定められた料率が適用され、退職時の勤続年数に応じて料率が決まります。
プロビデンドファンド導入のメリット・デメリットとは?
企業にとってのメリット
– 従業員の長期勤務を促進するインセンティブになる。
– 企業が拠出した金額を費用として計上できる。
– 求職者に魅力的な福利厚生を提供することで、優秀な人材の獲得につながる。
企業にとってのデメリット
– 企業が拠出する金額がコストとなる。
従業員にとってのメリット
– 税金を節約できる。
– 積み立てた資金が解約や退職まで手をつけられないため、安定した貯蓄となる。
– 退職時には、運用利益とともに企業が拠出した分も受け取れるため(勤続年数に応じて)、金銭的な恩恵を享受できる。
従業員にとってのデメリット
– 元本が減るリスクがある。
– 積立金を簡単に引き出すことができない。
すぐに導入すべき?
プロビデントファンドは、企業が任意で採用する福利厚生の一つであり、すべての企業が必ず加入しているわけではありません。特に、新しく進出した企業では、この制度を導入している場合が少ないです。新規の企業がビジネスが安定してきた後に導入することも一般的です。
ビジネスが安定した企業では、従業員の満足度を高めるために導入を検討することができます。実際、プロビデントファンドの有無で企業を選ぶ求職者もいます。
実際、どのくらい日系企業が導入している?
当社の「2022年 在タイ日系企業 給与・福利厚生統計データ」によると、製造業の約60%、非製造業の約40%がプロビデントファンドを導入していることが分かりました。
企業がどの程度の割合で拠出金を提供しているかに関する詳細データも提供しておりますので、興味のある方は以下のフォームから情報をご入力ください。
パーソネルコンサルタントの統計データをお求めの方は以下より情報を入力ください
<在タイ日系企業 給与・福利厚生統計データ お申込みフォーム>
参考:
https://www.krungsriasset.com/JP/Provident-Fund/Provident-Fund.aspx
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