タイ人が日本で働きたいと思う理由はどういったものがあるのでしょうか?
彼らはどこに最もモチベーションを感じるのか、日本で働くタイ人の支援をする「タイニッポンンフェローシップ」の小林さんに伺いました。
※本記事はYouTubeチャンネル【知って繋がるバンコクのビジネスチャンネル〈タイ前線〉】の投稿を基にしております。
【前提】日本の給料はもう魅力的ではない!
まず前提としてお伝えしておかなければならないのは「日本の一番の魅力は給料ではない」ということです。日本人の中には未だに「日本は途上国に比べれば給料も高くていろいろなコンテンツがあるし、当然日本で働きたいでしょう」と思っていらっしゃる方が残念ながらまだすごく多いのですが、もはやタイに限らずもう多くの国で、正直なところ日本での給料は魅力的ではなくなっています。リビングコストの高さを考えると、もっと他にコスパのいい国はあるのです。したがって、それでも日本に来たいと思ってくれているタイ人は「給料ではない別の魅力」にモチベーションを感じているということを念頭に置いておく必要があります。
それでは改めて、日本に来て働きたいと思うタイ人はどんな人なのか、見ていきましょう。
①日本の文化が大好きな人
まず一つ目は「日本の文化が大好きな人」。
小林さんが求人登録に来る皆さんに「どうして日本で働きたいと思いましたか?」「どうして日本語勉強し始めましたか?」と質問すると、「小さい頃からアニメが好きだから」「小さい頃から日本の漫画が好きで、読めるようになりたいから日本語の勉強をしました」という答えを多くいただくそう。
日本のアニメや漫画は、コンテンツとしてだけではなく、その背景にも日本の文化を含んでいます。そこを通して日本という国自体に憧れや魅力を感じて「日本で働くことが夢なんです」と言ってくださる候補者の方がとても多いのだそうです。
日本に興味を持ったきっかけとして食べ物の魅力を挙げる方も多く「アニメや漫画で見たどら焼きやおにぎりなどを食べてみたい」と思うタイの方もたくさんいらっしゃいます。また、日本に短期留学や語学研修で行ったことがあり「その土地のご飯がすごく美味しかった」と言われる方も多いのだとか。
「その国のカルチャーに惹かれ、語学の勉強を始める」という流れが存在しているのは、日本が持つ大事な資産。きっかけは些細で軽く見えるかもしれません。しかし、そこからしっかりと日本語の勉強を重ね、日本語を活かして働きたいと思ったり、自分の住む場所と家族を離れてまでも日本に行ってみたいと思ってくれるほどになるというのは素晴らしいことですよね。日系企業で面接を担当される方がもしいたら、候補者の「アニメや漫画が好きだから」「日本の文化に興味があるから」という回答をぜひ尊重していただければと思います。
②大学で日本語を勉強してきた人
①の「日本の文化が大好きだから」という理由に繋がる部分もありますが、それをきっかけに大学や日本語学校で日本語をしっかり勉強してきた方が日本で働きたいと思ってくれるケースもたくさんあります。
日本語を活かせる場は、間違いなく日本。
日本語を勉強してきた方は、現地で日本語でコミュニケーションをとり、もっと上達していきたいと思う真面目で向上心のある方が多いです。
③日本の技術を学びたいと思う人
タイは製造業の国として、60〜70年前から日系企業が進出してきているという背景があります。日本の製造業や技術に憧れや素晴らしさを感じ、本場日本でその最先端の技術や働き方を身につけたいと考えてくれるタイ人も多いです。また、日本で技術を身につけてタイに戻り、タイでもっとその技術を生かして発展に貢献したいという志の高い方々も。
今の50〜60代以降のタイ人の方々の中には「頭取や工場長、タイ法人のトップが日本の大学を出ていて日本語を話せる」という方もいらっしゃいます。だからこそ、それを間近で見ていて「だから日本で働きたい」と思ってくれるのは、それだけ意識や志が高い可能性がありそうです。
一方で実情として、現場にいらっしゃる方の中には「もう既に日本国内には生産技術の粋は残っていなくて、海外の工場に移転してしまっている」「職人芸を持った方々はもう国内にはいなくて、実は海外で国内の技術が空洞化している」といった現状に置かれている場合もあるかもしれません。ただ、少なくともそのイメージや憧れ、実際に働く動機として「日本に行ったら技術的に自分を高められる」と期待を抱いているタイ人の方々が一定数いるというのはぜひ覚えておいていただければと思います。
外国人労働者をフェアに受け入れる
「無条件に日本に憧れてどんどん来てくれるだろう」「外国人だから安く雇えるだろう」という時代はもはや終わりました。
だからこそ、いかに今も魅力的だと思ってもらえるものを大切にしながら、タイを始め海外の方々が日本に来てもらえるようにアピールして歓迎するかはとても大事であり、今後の課題となってくるでしょう。
そして、日本人か外国人かに関わらず「一緒に会社を良くしていこう」「自分たちの戦略上その人が適任だから一緒に働こう」という、フェアな目線での採用をすることで、それが結果的にいい形を生んでくれるはずです。
まとめ
以上、日本で働きたいタイ人は、①日本の文化が大好きな人、②大学で日本語を勉強してきた人、③日本の技術を学びたいと思う人 が多いということで解説しました。
タイ人をはじめとする外国人が日本に魅力を感じてくれていることに感謝しつつ、会社を一緒に良くしていくパートナーとしてフェアな人材採用をしていきましょう!
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