2024.12.09

企業マネジメント

タイで読む『商売心得帖』(松下幸之助:著)

松下電器産業(現:パナソニックホールディングス)を一代で築き上げた松下幸之助が「経営の神様」とも呼ばれるのは、業績だけでなく、その経営哲学に感銘を受けて励まされる方が多く、影響力が大きかったからなのでしょう。没後35年が経ちますが、現在のタイでも、同氏の言葉を壁に掲げている日系企業があったり、その哲学が自身のビジネスの礎になっているとおっしゃる方にお会いしたりすることがあります。

若年層にはもう歴史上の人物ともいえるかと思いますが、幸之助イズムは多くの著作を通じて、それも単行本だけでなく電子書籍も通じて今も読み継がれていることからすると、その訴求力は現在も生きているといっても過言ではないような気がします。

そのメッセージはいかなるものか、少し見てみましょう。

『商売心得帖』は、著作の多い松下幸之助にとっても、特に人気が高くロングセラーとなる4冊をまとめた「心得帖」シリーズの第一作目で、もう半世紀以上前となる1973年に初版がこの世に出されました。第一章「商売の心得いろいろ」、第二章「人事の心得いろいろ」、そして補章として「古今の家訓・店訓・社訓いろいろ」という構成で、「商売」を主題にしながら「人事」にも多くのページが割かれている点が目を引きます。

そして、その人事の章は、

●人を集める第一歩は
●長所を見つつ
●人を育てるには
●好きこそものの上手なれ
●一人の責任
●人づくりは“打つ”ことから
●頼もしく思って人を使う
●衆知を生かすために
●部下の提案を喜ぶ
●経営者の心根
●ある問屋さんの立腹

という11のエッセイ風の文章で構成されています。カテゴリーとしてはビジネス書になるはずですが、鋭い指摘を含みながらも全体的に穏やかで親しみやすい語りかけは、どことなく仏典や聖書のように、読む者の気持ちを落ち着かせてくれたり勇気づけたりしてくれるような雰囲気もあります。

中には、この間の時代や社会の変化により、現代的にはそれをどうやって実現させたらいいのだろう、と考えを巡らせて止まってしまう部分もなくはないですが、むしろ時代や国を越えて普遍性を感じさせてくれる内容が多いような気がします。

例えば、求人難に関連して「魅力」を持つ必要性を説きながらのこの指摘。

 

「日本が大きな仕事をするという一つの立場にたって、一番大きな欠陥は何かというと、人を粗末に使っているということです。また、多くの人を無為に動かしているということです。それが人が足らないようになった一つの大きな原因です。」

 

人口減少も相まって「人手不足」が話題に上ることもまた多くなっている昨今ですが、「経営の神様」に先のように言われると、自ずと、既存の人員・体制のなかで、マネージメントで改善すべき点、まだまだ工夫できる点もあったのではないか、と振り返りたくなったりしませんか?

また、異文化の中で仕事をするようになると、それも特に初めての場合、日本や日本人ならこうだろうと思うところで異なる対応や反応があると、なかなか余裕を持てずに、「どうしてこうならないのか」とついつい残念な目線を持ちがちで、不信感や不満という負の感情のスパイラルに入ってしまうこともありえると思いますが、そんな時はこんな心がけが利くかもしれません。

 

「首脳者の心得として、つとめて社員の長所を見て短所を見ないよう心がけております。」
長所を見ることに七の力を用い、欠点を見ることに三の力を用いるのが、大体当を得ていると思われます。」

 

言語的なバリアに加えて文化的バイアスでミスコミュニケーションや見当外れも起こりえるだけに、疑心暗鬼で悪循環を起こさないように、このような心がけは海外でより一層大事になるような気もします。

そして、人事の章の最後の方は、“グレンジャイ(遠慮・忖度)”文化があるタイで読むと、その弊害の解法としての“ナムジャイ(積極的な思いやり・気配り)”の大事さを強調されているように感じます。

 

「下意が上達するためには、責任者の立場に立つ人が、部下の考えていることを引き出すという態度をとらなければいけません。課長になんでも言える、部長になんでも言える、なんらはばかることがない、そういった空気が課内に、部内に、また会社全体に醸成されてくることが肝要なのです。 もちろん、これは非常にむつかしいことです。それだけに、容易な努力、容易な理解だけではできないでしょう。よほどそれに真剣にとり組まなければできないのではないかと思います。」

「部下の人が何か提案を持ってきたような場合、『そんなことを考えてくれたのか。君は熱心だな。結構なことだ』といって、まずそのこと自体を、こころよく受け入れることです。」

「『~よい提案は大いに用いるから、提案してくれることは、大いに会社のためにもなるし、また、われわれの仕事としてもおもしろいから、君、いろいろ考えてくれないか』こういうことを、常にくり返し部下の人にいっておくことが、ほんとうに大切なことだと思うのです。」


「首脳者、経営者たる人がいやなことをきいて、いやな顔をしたり、機嫌をわるくしたりするようでは、いやなことは伝わらないようになります。いやなこと、いやな話ほどみずから反省すべき点、改善すべきところを含んでいることに思いをいたすべきだと思います。」

 

いかがでしたか? もはや古典ともいえそうな一冊ですが、ここでご紹介した箇所は今でも十分に通じる内容なのではないでしょうか。ご参考になれば幸いです。

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