タイで実際に採用をするようになったり、タイの方とのお付き合いが始まったりすると、
「タイの大学一挙紹介! タイの大学・どこが優秀?思い込み?落とし穴?」でご紹介した大学名はすぐに見聞きして覚えることになるかと思います。
しかし、日本でも、大学では規模が大きすぎて、出身者のタイプもひとくくりにしにくかったり、同じ学校を出たからと言って親近感を生むとも限らなかったりします。また、例えば、職場は殆どが東大か早稲田か慶應出身者で占められているといった環境の場合、それらの大学を出ていることは当たり前すぎて、それ自体で注目されることがない代わりに、開成・灘・国立附属はじめ各地域の名門高校出身であることが目を引いたり大きく作用したりするケースも少なくないでしょう。日本以上に権威主義的な社会で、厳然たるヒエラルキーが存在するタイではなおのことです。
学歴が人物の良さや既存チームとの相性を必ずしも担保するわけではありませんが、タイの名門高校出身者は、学力の高さだけでなく、躾もしっかりしていて自身の評判を損なうことへの警戒感から下手なことを避ける賢さを備えている方が多く、強固なネットワークで情報をとってきたり、特別なアポが取れたりと常人が努力しても得られない何かを安々ともたらしてくれる実利もあったりします。また、採用に関わらないという方でも、タイの方たちとそれなりにお付き合いがある方なら、名前は覚えておいて損はないと思います。ということで、今回はタイの名門高校をご紹介します!
タイの名門高校紹介~共学編~
●トリアムウドムTriam Udom Suksa School(公立)
https://www.triamudom.ac.th
○所在地:パトゥムワン区(最寄駅:BTSサイアム/ナショナルスタジアム、MRTサムヤーン)
○1938年、チュラロンコン大学予備校として、また国内初の男女共学高として設立
○物理的にも合格者数でもチュラロンコン大学に最も近く、タイ国内の医大にも最も多くの卒業生を送り出している
○定員1,500人/学年と元々マンモス校ではあるが、毎年約12,000人の受験生が志願し、入試当日の試験会場付近は付き添う保護者も加わり3万人規模の混雑ぶり
○O-NET(タイの全国共通試験)のトップの座こそ近年他校に譲ってはいるものの、いまだ実力・ブランド力・卒業生のネットワーク等の総合力でタイ最高の高校に君臨
○卒業生:チャチャート現バンコク都知事、タナトーン元新未来党党首等
●その他、卒業生のネットワーク的にはそれほど強いとは言えないが、マヒドンウィタヤヌソンMahidol Wittayanusorn Schoolは近年のO-NET1位、サームセンSamsen Wittayalai Schoolやシリナカリンウィロート大学附属Srinakharinwirot University Demonstration Schoolも同試験トップ10常連校で学力は確か。また、2015年に少人数制のトップエリート科学学院としてPTTを母体とする財団によって設立されたカムヌートウィット(KVIS)Kamnoetvidya Science Academy卒業生の今後も注目される。
タイの名門高校紹介~男子校編~
●スアンクラープSuankularb Wittayalai School(公立)
http://www.sk.ac.th
○所在地:プラナコーン区(王宮エリア・旧市街地、最寄駅MRTサムヨット)
○1882年王立でスタートしたタイで最初の国(公)立校で中高一貫校、O-NET3位
○学校名は、ラマ2世の時代まで遡る、王宮の「薔薇(クラープ)園(スアン)」に由来
○在学生・卒業生の愛校心・結束固く、また政財界をはじめ多方面に著名人を多く輩出
○卒業生:故プレム枢密院議長・第6代首相他首相多数、ロック歌手Bodyslamトゥーン
●その他、タイでは珍しくラグビーで有名なワチラウットVajiravudh College(私立・寄宿制)は王室・軍・官界に太いコネクションがあり、ビジネス界ではセントガブリエルSaint Gabriel’s College、バンコククリスチャンBangkok Christian College、アサンプションAssumption Collegeも活躍。
タイの名門高校紹介~女子校編~
●マーテーデイMater Dei School(私立)
https://www.materdei.ac.th
○所在地:パトゥムワン区(BTSチットロム駅前)
○1928年設立、幼稚園から高校までのカトリック系一貫校
○現在は完全な女子校だが設立当初は男児も受け入れ、ラマ8世、ラマ9世も在籍
○由緒正しさから名家の令嬢も多く、有力者夫人となった卒業生も多い
○募集は幼稚園年長及び小学校1年のみで、他は欠員が出た場合の補充のみ
○卒業生:ペートンタン首相、スチャダ元チュラロンコン大学学長(同大学初の女性学長)
●その他、BTSアソーク駅近くにあるワッタナーWattana Wittaya Academy(私立・寄宿制)や日本人が設立に携わったラーチニーRajini School(皇女の意)、カトリック系のセントジョセフコンベントSaint Joseph Convent School、アサンプションコンベントAssumption Convent School、そして学力の高いサトリーウィタヤーSatriwitthaya Schoolも、名門女子校として名前が挙がる。
今回ご紹介した中には日系企業が入るオフィス街近くの高校名もいくつか入っているので、ご存じの学校もあったのではないでしょうか。特に優秀な人物を獲得したい、という方に限らず、タイ理解の一環として、履歴書の高校の欄や周囲の高校生の様子にも目線を向けてみてはいかがでしょうか。
タイでの採用についてお困りごとがございましたら、ぜひパーソネルコンサルタントにご相談ください。担当営業が丁寧にお悩みをお伺いいたします。