早いもので今年ももう四分の一が終わってしまいました。タイでは、12月末を決算月としている会社が多いですし、タイでは日本のように一斉に卒業・入学/入社というようなステージの変化を身近に見ることもなかなかないですが、それでも日本から来ているとやはり3月から4月にかけて、一つの区切り、そして新たな始まりと認識する感覚をお持ちの方が少なくないのではないでしょうか。
そんな中、もし年始やタイでの仕事開始時に目標について考える時間がなかった、という方がいらっしゃれば、今からでも考えてみてはいかがでしょうか? ソンクラーンも、言い換えてみればタイ正月ですし、気持ちを新たに進むべき方向を見直すのにいい時期かもしれません。
その方法は色々ありますが、今年もMLB開幕からスポーツニュースの華となっているドジャースの大谷翔平選手が高校時代に書いていたことで有名になった目標達成シートはいかがでしょうか? 人事や自己啓発、カウンセリング・コンサルティング界隈では大谷選手の活躍と共に広まって久しいこのシートは、下図のように9×9マスを使用し、一般社団法人マンダラチャート協会(https://mandalachart.jp/)による商標登録で「マンダラチャート」という名前でも知られています。夢をかなえるための努力・ストーリーと共にシートの作成方法は平成30年から日本の小学生用教科書で紹介され※1、今春からは中学生用の教科書でも採用されています。※2見聞きはしていても、実際に作ったことがある方はそれほど多くないかもしれませんので、ここにご紹介します。
- 作成方法
1.中央①にあたる部分(赤いマス)に「大目標」(成し遂げたい成果)を書く。
2.①の周りの8マス(ピンク、②~⑨)に①達成のために必要な「中目標」(要素)を書く。
3.2.の周りにある3×3マスの中央にあるピンク②~⑨に2.で書き込んだ「中目標」を書き写す。
4.色のないマスに②~⑨実現のために必要な「小目標」(具体的アクション・姿勢)を8つずつ書く。
例として、大谷選手が高校時代に手書きで作成したものをエクセルで入力すると次のようになります。
「ドラフト1位指名8球団」という大目標①を成し遂げるために②「コントロール」、③「キレ」、④「スピード160km/h」、⑤「変化球」、⑥「運」、⑦「人間性」、⑧「メンタル」、⑨「体づくり」という8つの中目標を立て、そのために各8つの小目標を、例えば「運」なら「ゴミ拾い」「部屋そうじ」「審判さんへの態度」「本を読む」「応援される人間になる」「プラス思考」「道具を大切に使う」「あいさつ」といった具体的な行動内容で埋めています。
技術的な部分は、もちろん職業によって変わってきますが、「メンタル」「人間性」「運」あたりは、タイでの仕事やマネージメントにそのまま拝借、あるいは援用できる部分も少なくないように感じます。また、海外での仕事・外国人との協働/競争という側面では、「英語」「タイ語」といった語学力や、「異文化理解」や「プレゼンテーションスキル」と言ったコミュニケーションに関わる要素を入れたり、頑張った時の喜びとなるように成否や達成度を確認しやすい数値目標を入れたりするのも有益です。あとは、大谷選手の「体づくり」や「キレ」に通じる部分として、仕事をするための下地作りやパフォーマンスの最大化を考慮して「健康管理」や「ライフ」(コラム:タイで考える「ライフイベント法」)も意識されるといいでしょう。皆さんも、海を越えて勝負しているので、あらゆる面での技術向上も勿論必要ですが、アスリート同様に身体も資本ですので。2025年、今からでも意識の持ちようと実践でよい年にしていきましょう。
※1 https://www.sankei.com/article/20241031-73Y7OWWXNVNWJD6WXVTXFWX65Q/
※2 https://news.ntv.co.jp/category/society/5c79be2eed444d2dafd7a660d25f8e32